ボディターン。
レッスンでよく使われる言葉ですが、非常に曖昧な言葉でもあります。
ボディターンは初心者が最初に習得しないければいけない動きであり、ゴルフスイングの基本動作が詰まっています。
本記事では具体的にどのような動きが「本当のボディターン」なのかを詳しく解説します。
ボディターンとは?
ボディターンの定義
ボディターンの定義は曖昧ですが、本サイトではボディターンを下記のように定めます。
ボディターンの定義
- 肩の回転
- 下半身の動き(ヒップターン)
- 前傾姿勢
- 両肘は常に体の前
これら4つの動きは、必ず身に付けないといけないゴルフスイングの基本動作です。
ボディターンの4つの基本動作とは?
基本動作とは、全てのスイングタイプに共通した動きのこと。
ゴルフスイングは4つのスイングタイプに分類されます。
それら4つのスイングタイプに共通した動きが基本動作です。
ボディターンはアマチュアゴルファーが最も苦労して、(基本動作なのに)なかなか身に付けられない動きでもあります。
手ぶらで身に付ける
ボディターンはクラブを握らず手ぶらで身に付けることをオススメします。
逆に言えば、ボールを打ちながら身に付けられる動作ではありません。
手ぶらで身に付けられると言うことは、家でも会社でも反復練習できると言うことです。
スイングの基本動作であるボディターンは、ボールを打つ前に、クラブを持つ前に身に付けましょう。
- ボディターンは、4つの基本動作で構成される
- ボディターンは、ゴルフクラブを握らず手ぶらで身に付ける
いきなりボールを打っても絶対に上達しない。
(時間・お金・労力を無駄に消費して、必ずスイング迷子になる)
一番初めに身に付ける動きは?
【肩の回転】ゴルフスイングで最も重要な動き
ゴルフも野球もテニスも肩の回転
ゴルフスイングの基本動作は肩の回転から始まります。
最も重要な動きです。
ちなみにテニスも野球も肩の回転が最も重要な動きです。
テニス(フォアハンド・サーブ)
野球(ピッチング・バッティング・スローイング)
ゴルフ(ドライバー・アイアン・ショートアプローチ・パッティング)
ドライバーからパッティングまで肩の回転を意識する
ゴルフのショット全てで肩の回転を意識することでスムーズなスイングが実現できます。
クラブ | 肩の回転 | 目的 |
ドライバー フェアウェイウッド | 大きく早く | 飛距離重視 |
ユーティリティ アイアン | そこそこ大きく、そこそこ早く | 飛距離と安定性の両立 |
ウェッジ | 小さく早く 小さくゆっくり | 安定性重視 |
パター | 小さくゆっくり | 安定性重視 |
目的に応じて肩の回転を調整します。
※例えば、ドライバーでも飛距離より安定性を重視したい場合
⭕️そこそこ大きく、そこそこ早く
❌大きく早く
動かし方は2種類
肩の回転と言っても動かし方は2種類存在します。
水平に回転させるタイプ
腕も肩も水平に回転させるタイプ
トップやインパクトで肩の位置を意識することで肩の回転が安定する
八の字に回転させるタイプ
少し複雑な動きをするのがBタイプ。
肩を回転させている意識は無い。
胸骨を動かせと言われることが多い
肩を回すなと言う人もいますが、やっていることは肩の回転です。
肩の動かし方でスイングは大きく異なる
水平回転か8の字か。
この2つの動きの違いで、ゴルフスイングは全く異なる動きをします。
例えば……
肘膝
Aタイプ肘膝は動かさない
Bタイプ肘膝は上下に動かす
右手右足か左手左足か
Aタイプ左手左足に意識を集中させる
Bタイプ右手右足に意識を集中させる
教えてもらう人のタイプを知る
Aタイプの人がBタイプの人に指導をしてもらうと混乱します(逆も同じ)
全く異なる(真逆の動き)をするので、教えてもらう場合は同じタイプの人が絶対条件とも言えます。
アマチュアゴルファーが混乱する理由
肩の回転を意識する効果
- 手打ちスイングからの脱却
- 頭が残る
- 前傾姿勢の維持
- シャローイングもハンドファーストも肩の回転が前提の動き
- スウェーしなくなる
- 脱力スイングが身に付く
- etc
上記以外にも肩の回転を意識することで解決できるスイングの悩みはたくさんあります。
初心者はまず肩の回転を意識することから始めましょう。
- ゴルフスイングは肩の回転が一番大切
- 肩の回し方でボールをコントロール
(大きく回すか、小さく回すか)
(早く回すか、ゆっくり回すか) - 肩の動かし方は2種類ある
(並行に動かすか、八の字に動かすか)
上半身の動きに合わせて、下半身の動きを身に付けよう!
下半身の動き(ヒップターン)
地面半力よりも大切な動き
下半身の動きは地面半力ばかりが注目されていますが、基本的な動きを身に付けることは必須です。
動きは3種類
ヒップターン
通常のスイングの動き
左足を上方向と後方向に動かし、飛球戦方向へ上半身を向ける動き
肩を大きく早く回転させようと思えば、先に下半身を動かすのが自然(下半身リード)
肩幅スタンスが一般的
状況次第で腰幅スタンス
左足を開くオープンスタンス
ショートアプローチでは左足を開いてアドレスを取ります。
下半身の動きを最小限に抑えて上半身の動きに集中させるため
腰幅スタンスが一般的
バンカーでは肩幅スタンスでも可
パッティングは下半身固定
パッティングと一部のアプローチでは下半身を固定します。
動かさないことでショットの安定に繋がります。
首幅スタンスが一般的
動きは同じだが感覚は異なる
Aタイプは腰を引くと言われることが多い
Bタイプは骨盤の動きに注目した解説が多い
バックスイングでは骨盤を後にひく
切り返しで斜め上に切り上げる
腰を引くなという人もいるが引く動きも入っている。上への動きが大きいだけ
地面半力は意識するな
初心者が地面半力(地面を大きく蹴り上げる動き)は意識しないこと
地面半力を意識するのは上級向けの動き
スイングの基本が身についていない段階でそのような動きを意識するとスイングが乱れるだけ。
基本動作を身につけて、しっかりボールを打てるようになることをまずは心がけましょう
- 下半身の基本動作は3種類
- [1]ヒップターンで振り切る動き
- [2]オープンスタンスで最小限の動き
- [3]パッティングは下半身固定
- 地面半力は上級者向けの動き
前傾姿勢を取ってみよう!
前傾姿勢
「肩の回転」と「下半身の動き」この二つの動きを前傾姿勢をとった状態で再現します。
前傾姿勢の維持は、慣れないうちは非常に難しい動きです。
まずは肩を大きく早く動かす練習
下半身の動きが疎かになるとスイングは大きく乱れます
筋力不足だと上半身が起き上がってしまいます
ここまでの動きはクラブを持つ前に身に付けておくべき動き
いきなりクラブを持ってこの動きを身につけるのは至難の業です(不可能と言ってもいい)
- 前傾姿勢の維持は難しい
- 動きの感覚は「手ぶら」で身に付ける
- 伸び上がらないスイングを身に付ける
最後に正しい腕の動きを身に付けよう!
両肘は常に体の前
体と腕の同調
スイング中、両肘は体の前が絶対条件
体と腕の同調とは両肘を体の前から動かさないこと
【理由】力が入るから
両肘を体の前に固定してスイングすると窮屈に感じるかもしれません。
ですが、スイング中は肘をからの前に固定していた方が力を出せます。
ハンドファーストインパクト
肘を体の前に置くことが条件
一番力が入る形(ボールを押せる)
肘が引けていると
力が入らない
ハイタッチで脱臼するのは肘が引けていて力が入らないから
必要以上にフェースが開く
スライスの原因再現性の低下インパクトゾーンで無駄な動きが増える
タイプ別肘の動き
Aタイプは動かさない
Aタイプ(肩の水平回転)場合、両肘は動かさない。
Bタイプは上下に動かす
Bタイプ(8の字回転)の場合、両肘は上下に動かす
脇を締めるは間違い
脇を締めるというレッスンが見受けられますが、厳密にいうと間違いです。
Aタイプでも脇に隙間はできます(懐の深いスイング)
Bタイプは肘を肩の位置まで上げるので、そもそもダメな動き
アームバンドは必須アイテム
両肘を体の前で固定する動きは思っている以上に難しいです。
油断するとすぐに肘を引いてしまいます。
この動きに慣れるためにお勧めなのがアームバンドです
1000円です!
アームバンドを付けて肩の回転を意識すれば上半身の基本動作は完成します
金谷選手も愛用しています
- 両肘は常に体の前
- Aタイプは固定
- Bタイプは上下に動かす
- 「脇を締める」は間違い
- アームバンドは神アイテム!
4つの基本動作の補足です
(補足1)左手の役割
肩の回転をコントロール
左手の役割は、肩の回転をコントロールすること。
左手を伸ばさないと肩をスムーズに回転させる事ができません。
野球やテニス(特にボールを投げる動作)で左手の役割を体感できます。
トップで左手は伸ばす?曲げる?
Aタイプ(肩を水平回転):左手は伸ばす
Bタイプ(肩を八の字回転):左手は曲げる(曲がる)
(補足2)捻転差と下半身リード
捻転差とは上半身と下半身のねじれ
肩を大きく早く回すためには体のねじれが必要。
ねじれを作る動き(捻転差・ため)も手ぶらで身に付けます。
- 「捻転差」は肩を大きく早く回す為に必要
- 捻転差MAXはインパクト
(トップで捻転差MAXはウソ) - 下半身リードは捻転差を作るための動き
(補足3)スイング軸
スイングの原型動作を練習するとき、「スイング軸」と「リズム」を意識します。
スイング軸は「点」である
多くのレッスンでは背骨・右足・左足などが軸として紹介されていますが、正しいスイング軸は「首の付け根」です。
肩の回転を意識するとスイング軸が点であることが分かります。
Bタイプのスイングでも、意識するのは首の付け根。
肩のラインと背骨が交わる部分を動かさないことが安定したスイングの条件です。
背骨や足を軸にする意識だと、ドアスイングやスウェーの原因になります。
(補足4)地面反力とベタ足スイング
右足の役割「右足の地面反力」
右足の役割は、ボールにパワーを伝えること。
右足をターンさせる事で、地面を蹴った力をボールに伝わります。
右足の地面反力は基本動作で、初心者は右足のターンをマスターしましょう。
左足の役割「左足の地面反力」
左足の役割は、スイングを支えること。
上達するにつれスイングスピードが高まると、ヒップターンの動きだけではスイングを支えられなくなります。
左足で地面を蹴ることで、スイングで生まれたパワーを上方へ逃す動きが左足の地面反力です。
上級者向けの動きなので初心者は無視してください。
初心者が左足で地面を蹴る動きを意識するとスイングを乱す原因(インパクトで伸び上がる)になるので注意してください。
ベタ足スイングはBタイプ向け
Aタイプ:ベタ足は無視する。
Bタイプ:ベタ足を意識しても良い
ベタ足はインパクトまでで、フィニッシュに向けて右足のターンさせます。
フィニッシュまでベタ足は間違い。
ボディターンの4つの基本動作 まとめ
ボディターンとはスイングの基本動作のこと
ボディターン【4つの基本動作】
[1]肩の回転
[2]下半身の動き
[3]前傾姿勢
[4]両肘の動き
(補足1)左手の役割
(補足2)下半身リードと捻転差
(補足3)スイング軸は首の付け根
(補足4)地面反力とベタ足スイング
反復練習
手ぶらでの原型動作は地味で面白くありませんが、慣れるまでは反復練習をしましょう。
この動きが安定しないとクラブを持ってスイングをしてもバランスを大きく崩す原因となり、無理にボールを打てば「手打ちスイング」に戻ってしまいます。
特に運動未経験者にとっては未知の動きとも言えます。
数日の練習でも十分に身につく動きです。
効率よくゴルフを上達させるためにも、焦らずに原型動作を身に付けてください。
この4つの動きをスムーズに行えるようになってからクラブを握ると上達は10倍100倍早くなります。
たった4つの動きでもスイングタイプによって動きは異なる。
このことも知っておくと混乱して迷子になることを防げます。
バランス感覚を身につけることもできる
筋トレストレッチの重要性も理解できます
- ボディターンは、4つの基本動作で構成される
- ボディターンは、ゴルフクラブを握らず手ぶらで身に付ける
(自宅でも会社でもいつでも反復練習ができる)
いきなりボールを打っても絶対に上達しない。
(時間・お金・労力を無駄に消費して、必ずスイング迷子になる)
各動作の詳細記事は以下のリンクから読み進めてください。
ボディターン【4つの基本動作】
[1]肩の回転
[2]下半身の動き
[3]前傾姿勢
[4]両肘の動き
(補足1)左手の役割
(補足2)下半身リードと捻転差
(補足3)スイング軸は首の付け根
(補足4)地面反力とベタ足スイング